当店先代社長
故・関矢健二
〜お酒によせての口上〜以下抜粋
日本酒こそ日本文化の精華である、と思い、一人でも多くの方に、これぞ真の日本酒、と膝を打っていただけますような酒をできる限りと、志しましてから十有余年。
日本中の蔵元を訪ね歩きましたが、自らの手で作るしかないとの結論に達してからが、この数十年でございます。
もとより東上野に店を構えます一介の酒屋のできるには限りがございますが、幸い共鳴していただけます蔵元様にも恵まれ、のべ80種を超えますオリジナル酒を世に出すことができました。
つくりたい酒を想い、それを酒質設計書に書き起こし、最もふさわしいと思われる蔵元、杜氏を選び、自ら田植え、稲刈りをしました酒米を用意しての、酒づくりでございます。
質を追求すれば量のできるべくもありませんが、ある程度の量がなければ、酒屋の遊びとなるを戒め、個人で管理できます最大限までは、と努力してまいった所存です。
お手にされました酒の、どの一本にも私の想いが詰まっております。最大限の量を、と腕を振り上げましても、世に出回ります日本の酒の量から比べますれば、大海の一滴ほどのものでしかございません。
酒名も知っておられます方はほとんどないと思っておりますが、一口、二口と飲んでいただきますれば日本酒とはかくも素晴らしいものであったのか、とご納得いただける自負がございます。
長々と述べさせていただきましたが、酒を我が子と思うあまりの長口舌とお許しくださいますようお願い申し上げます。
関矢健二敬白
以上